海に咲く花たち 2001年7月ー10月 発症から診断まで

2001/07/09 重い頭

海は三ヶ月たらず。
やっと時々にっこりしはじめるようになった。
花のときより遅いような気がするけど、彼女のときよりほったらかしにされているせいか???

そういえば、花より頭がでかい。
お医者さんに連れていったとき、カーシートの中で寝たままの海を見て、医者が「2ヶ月?母乳で育ててるんじゃなかったの?」
「母乳です。」
「・・・(海の身体の部分にかかっていた毛布をとる)。あ、身体の方は2ヶ月のサイズね、よかったよかった。」

そのせいか、うつむせにさせても全然頭をあげない。

お隣の、海より一ヶ月半早く生まれたリバーくんは、この前指を三本くらい口の中に突っ込んで、一生懸命吸っていた。
人間の赤ちゃんって、本当に10ヶ月もお腹にいたとは思えないくらい、発達していないよなー。

2001/07/22 お医者はたのし

一ヶ月遅れて海を予防接種に連れていった。
初回のこれは5種類混合で、副作用というか、そういうのも一番でやすいとか。
いっぱい入ってきついから。
花は全然平気だったのに、海は接種したところが真っ赤にはれて、熱は出なかったけど、2日半くらい機嫌悪いの何の。
これはただの予防接種に対する作用なのか、それともなんか変な病気の兆候なのか?????と心配していると、今度は花が「おしりいたーい」と、言い出す。
おしっこするたびにそう言って泣き出すから、「はっ、これは膀胱炎!!」と、自分のときのあの痛さを思い出し、すぐ医者に連れて行く。

医者に行こうね、というと、飛び上がって喜んでいる。なぜ?
で、待合室で執拗におしっこ行っておこうね、と薦めているが、痛い思いが嫌で我慢している。
お医者さんでは尿検査をしないと、抗生物質のタイプをどれにするか、わからないので、尿を取って検査所に出してくれといわれる。
痛がっているから、それに対してなんか今出してもらえないか、というと大人用の薬があるけど、子供用の摂取量が明記されてないので、できれば避けたい、といわれる。
頼りない医者やなーと思いつつも、医者が絶対数が足りないカルガリーでは贅沢は言えない。

さて尿検査か、どうやっておだててやらせようか、と思っていると、医者が花に「ほら、この容器をあげるからね。これにおしっこできるよね?」とオレンジの蓋のついた、プラスチックのいれものを渡されて、花はすっかりやる気に。
おトイレに直行して見事遂行。
「やったーやったー!I did it!」とぴょんぴょん跳ねる。
それを得意げにしゃかしゃかとシェイクしながら出すところに持っていくと、今度は渡したくない、とごねる。
お前ー・・・。
家でまた入れ物にしようね、とごまかして納得させる。

結局膀胱炎ではなく、夏の暑いときに水分の補給が足りないと、おしっこが濃くなって、局部にしみたりということがあるそうです。
確かにその日の夜、涼しくなって、いっぱい飲み物を与えた後は痛がらなかった。
「ジュースとか、アイスクリームのようなものでどんどん水分を与えて様子をみて。」と医者に言われる。
医者の命令でアイスクリームが食べれるんだから、いいよねーコドモは。

2001/09/28 (金) Cerebral Palsy?

海が5ヶ月になったのにどうも身体の動きが遅い。
花のときと比べて全然。
医者に連れていって、ちょっとエクササイズの仕方とか聞いてみよう、くらいの気持ちで予約を入れていくと、ちょこちょこ質問されてから、小児科の専門医を紹介するから、念のためにその人にみてもらってといわれる。

たいそうな、と思いつつ Dr.Kaoのクリニックへ行くと、可能性として“Cerebral Palsy”かもしれない、といわれた。
そんな単語は知らないけど、Cerebralって脳のことだよなー・・・とちょっとショックを受ける。
まだ5ヶ月だから、ちょっと発達がゆっくりしているだけかもしれないので、張り切ってインターネットで調べまくって、よけいショックを受けないように、といわれた。

そんな事言われたって、もちろんするって。
Cerebral Palsyが脳性麻痺のことだとわかってやっとがーん・・・。
でもまだ5ヶ月だしねーとも思う。

サイモンはイタリア出張中。
電話で知らせるのはかわいそうだから、もうすこしまつ。
がーんがーんがーん・・・って感じの一日でした。

花は元気にPlaygroupにいってそこのボーイフレンドのキーガンとかくれんぼをしてご機嫌でございましたが。

2001/10/17 (水) ミザリー

今日 Early Intervention Programという、発達の遅滞を診断された0歳から3歳までのカルガリーに住む子どもを対象に、家庭訪問してくれて、自宅で普段からできる療法(エクササイズとか)を指導してくれたり、色んなサポートグループやサービスを教えてくれたりする無料のプログラムがあって、そこのマネージャーの人が海を見に来てくれた。
1時の約束で、ぴったりにドアにノックがあって、「あーきたのね」とドアを開けて思わず叫びそうになった。
「ミザリー」のキャシー・ベイツにうりふたつ!!!
服といい、髪型といい、顔といい・・・。
あー恐かった。
「あー・・・は、は、はいってください」とどもったがな。
でもとてもしっかりしたいい人だった。
次から三歳まで海の担当になる人が来てくれるらしい。

2001/10/18 (木) CTスキャン

花をダンカンのうちに預けて、サイモンと一緒に海を連れて州立小児病院へCTスキャンをしてもらいに行く。
多分子どものことだから眠らせたり、画像が出やすいように染料を入れたりするだろうといわれていたけど、それに伴ってでるかもしれない反応(吐いたり)の書類を読まされて、同意のサインをするのにくらーくなる。

しかし!
海はぎゃんぎゃん泣いたけど頭を動かさなかったし(動かせないというか)、素でとった画像もきちんとしていたらしくあっさりおしまい。
拍子抜けである。よかった。
待合室で一歳くらいの赤ちゃんが点滴を5本くらいぶら下げて、おもちゃで遊んでいたのをみて、海が健康優良児にみえる。
結果のレポートは数日かかるとのこと。

花を迎えに行くと、かえりたくなーい!と怒っていた。

2001/10/22 (月) 賢い花

近所のボーイフレンドのダンカンや、Playgroupで毎週あうキーガンと遊ぶとき、花は感心するくらいあしらいが上手い。
ダンカンやキーガンが花の持っているおもちゃを欲しがったり、何だかんだと機嫌悪くなってごねだすと、花はすぐ「はい、じゅんばん!」とかいってゆずる。
でもきっちり10秒後くらいに「はい、私の番!!」といって取りかえす。
相手も順番、といわれて譲ってもらったものなので、勢いでつい返してしまうし、一回触わらしてもらって結構満足しているしで、とてもご機嫌が直っている。

見習わなければ、と思う。

2001/10/23 (火) 脳性麻痺じゃないなら?

脳性麻痺かな。
まーそれならそれで高酸素療法とか、色々インターネットで調べたのとかしてみよう・・・とけっこうサイモンと二人で明るい海の将来を描く。
それから電話があってCTスキャンの結果が返ってきたということでDr.Kaoのクリニックに聞きに行く。
「脳性麻痺って言えればよかったんだけど・・・」なーんていうので話が始まると「うーん、良いニュースじゃないよなー」とその時点でしまった・・・って感じですが、そのとおりで、脳性麻痺よりたちが悪いもののようです。
これだけじゃわからないので、診断がついてないけど、脳が萎縮しているらしい。
カルシウム化しているところもあるとか。

脳性麻痺は脳の一部が損傷して、でもそれだけで進行性ではないし、脳のサイズが変わることもないし、あとはOTとかのセラピーで運動能力を向上し、とパターンがあるけど、海の場合はもっとややこしくて、うーん、ややこしい。
小児病院の脳神経科の専門医にみてもらって、MRIとかしてもらわないと進まない。
なのにWaiting Listだって。
その間に進行してたり、痛みがあったりしたらどうするんだ!と歯がゆいものの、そういうシステムなのでとりあえずは待つしかない。
全部こういうの無料だけど、お金払ってすぐみてもらえるならそうしたい。
でもそういうのはアメリカ行かないとしてもらえない。

おかーさんに連絡する。

2001/10/24 (水) 家族懇談

今週末は花の誕生日。
その日にCanmoreから家族がきて誕生パーティーをするけど、その時に海のことを話すのも雰囲気が壊れると花がかわいそうなので、今日Canmoreに車飛ばして、みんなにいおう、となった。
サイモンの妹、レイチェルとロージーは仕事だったけど、休んでお姉さんのヘレンのうちへ集合。
皆集まってくれて、サイモンが海の現状を説明。
皆涙となる。
できることはなんでも言ってくれと。
6歳と8歳のモリーとソフィーには、海は歩くのが人よりちょっと遅いかもしれない、とヘレンが説明する。
固く握って、うまく開くことができない海のこぶしを、モリーがマッサージしてくれていた。
サイモンのお母さんのリズは26日にイギリスから帰国するので、電話で知らせようということになった。
スウェーデンに住むお父さんのビルには、この前電話があったときサイモンが話したそうで、すごーくショックを受けていたそうだ。
会えない人たちはそりゃあすごく心配するだろうけど、でもそれほどひどくはないんだよー・・・と私たちは思っている。
そりゃーひどいことはひどいけど、でも海は笑ったりするし、ちゃんと反応するし、へたくそだけどちゃんとお乳も飲めてるし。
笑ってるってことは幸せなひとときもあるんだということでしょう・・・。

2001/10/27 (土) お誕生日

花はやっと三歳になりました。
天気もよく、新しい裏庭のデッキで、バーベキューでパーティーをした。
花は超興奮状態で、プレゼントもいっぱいもらって、幸せモノでした。
ヒットはドールハウスで、一人で色々話しながらしばらく遊んでいるのをみて、サイモンと私で万歳。
いきなりおばあちゃんのうちに泊まりに行く、といって、お泊まりに行ってしまった。
あっけらかんとしていた。
車で1時間ちょっとのとこなんだけど、別に私たちがついていかないということにもパニクらず。
なげキスをして去っていった花ちゃん。
海を6時にベッドに入れて、サイモンと私は小躍りしながらビデオのNurse Bettyを観る。
まぁまぁおもしろかった。

Canmoreのみんなは海のニュースを先日聞いてとても落ち込んだけど、きょうまた海が笑ってるのとかをみて安心したとのこと。
動けないけど、普通の赤ちゃんだからねー、それ以外は。

2001/10/31 (水) ハロウィーン

花はまんまるいかぼちゃになって、近所にサイモンとTrick-or-treatingに出かける。
ちょっとシャイなので知らない人相手にちゃんと「Trick or treat!」なんて言えないんじゃないか、と心配してたのに、山のようにお菓子もらってかえってきた。
寝た後でお菓子を全部隠す。

つづき / もくじ
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